びちょのびちょびちょ日記

ポケモンVGCの構築公開や、オフ会の募集など

【剣盾ダブル】化学変化ジェットビート

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ソードシールド1発目の構築記事です。

場の全ての特性を消すという唯一無二の特性「かがくへんかガス」を持つガラルマタドガスf:id:bicho5296:20191231205837p:plainが発表されてから、ずっと使ってみたいなーと思っていて、それなりに満足のいく形にできたと思います。

ランクマッチでは良い勝率で3桁から40位までは上げたものの、潜る時間をあまりとれないのでシーズン1で一桁チャレンジは諦めて一足先に公開です。

 


構築経緯

化学変化ガスの効果

場の全ての特性を消す化学変化ガスですが、細かい仕様はどうなっているのか?ランクマッチのぶっつけ本番や、検証でわかったことは以下の通りです。

  • 素早さ順に関係なく先に発動して、ほかの「場に出た時に発動する特性」を発動させない
  • ミミッキュの「ばけのかわ」、シルヴァディの「マルチタイプ」のような姿が変わる特性には効果がない
  • 化学変化ガスを持つポケモンが交替または倒れて場からいなくなったとき、「場に出た時に発動する特性」が、次のポケモンが出る前に素早さ順で発動する(交替出しのポケモンは威嚇などを受けない。また、いなくなったマタドガスの持ち物を特性「おみとおし」で見ることができる)
  • 化学変化ガスがいなくなったとき、既に発動済の「場に出た時に発動する特性」も再度発動する(ギャラドスを場に残したままマタドガス出し入れで複数回威嚇など)
  • 特性「いたずらごころ」は即影響を受ける(マタドガスがいなくなったターンから優先度+1、交替で出されると通常優先度)

他にもいろいろ試せることはありそうですが、数戦回してみて気になったこと、偶然判明したことは以上です。悪戯心との関係は本構築を使う上でも必ず押さえておきたい仕様です。場に出た時に発動する特性を複数回使えるのは面白いですが、結局マタドガスを出し入れする手間がかかるので悪用はできなさそう?

 

現環境で強く特性に依存しているポケモン

■特性ありきの存在

ポケモンの小さいドット画像)

■特性なくても仕事はできるけど微妙

ポケモンの小さいドット画像)

■少し痛い

ポケモンの小さいドット画像)

 って並べるつもりでしたが画像を1つずつ集めるのが面倒なのでやめました。一括ダウンロードできる場所あったら教えてください。

ニンフィアみたいなポケモンは特性がないとほぼ不一致ノーマル技しか撃てない貧弱なポケモンになるくらい刺さっていますが、構築の軸というわけではないので選出を控えれば良い話です。

反対に、悪戯心のエルフーン、オーロンゲや、各種天候パの始動役(バンギラスは元々性能が高いので微妙)は、構築コンセプトを否定することになるのでとても刺さります。

 

本構築のコンセプト

化学変化ガスは、刺さる相手には刺さるけどそうでもない相手にはあまり意味がない所謂「メタ」特性です。つまり、これを使いたいと思っても構築のコンセプトにはなりません。刺さらない相手には出さずに他に強い動きができる必要があります。そしてもちろん構築には6匹しかポケモンを入れれないので、マタドガスを出す場合出さない場合どちらも違和感なく一貫した動きができることが好ましいです。

また、特性を封じたいポケモンエルフーンがいますが、素早さ種族値が116と高い上に殆どが気合いの襷持ちなので、マタドガスを置いたところで隣のアタッカーの攻撃を1回耐えた上で普通の素早さで追い風を使われてしまいます。悲しいことにマタドガスに拘りスカーフを持たせたところで丁度同速なので50%の運ゲーにしかなりません。

そこで、マタドガスを出す場合出さない場合どちらも使える構築の軸として、ダイジェットを選びました。エルフーンを行動させずに倒すため、まず決まったダイジェット役はドラパルトf:id:bicho5296:20191231205907p:plainです。

動きの解説ですが、まず素早さ実数値213のドラパルトがダイジェットをエルフーンに撃ち、襷まで削ります。特性を封じているので拘りスカーフ以外ほぼ先制しますし、ダイマックスドラパルトが一撃で倒されることは稀です。ダイジェットをした段階で味方のマタドガスの素早さが一段階上がり、213オーバー。今作からの仕様変更で素早さ順が即時反映されるので次に動くのはマタドガスになり、マジカルシャインなどでエルフーンに何もさせずに倒せるわけです。(この動きのため、マタドガスは拘りスカーフで採用です)

 

ダイジェットと相性の良い取り巻き

変わった使い方をしなくともダイジェットはビートダウンにおいて強力な技なので、他に相性の良いアタッカーを探していきます。

まずは、S+1で最速ドラパルトを抜け、流行りのドラパルト+トゲキッスの組み合わせに弱点の吹雪を連発できるバイバニラf:id:bicho5296:20191231205932p:plainを採用しました。

現環境に多い鋼タイプは氷が等倍なこと、水タイプはフリーズドライが抜群で入る(特にギャラドストリトドン、ルンパッパ、ペリッパーあたりは4倍)こともあり、ドラパキッスに限らずかなり通りが良いです。

また、バイバニラオーロラベールもできるので、ダイジェットで素早さを上げつつ先制オーロラベールでダメージレースを有利に運ぶこともできます。

 

次に、ドラパルトが苦手なミミッキュに強いことや単純に攻撃範囲が優秀な型破りドリュウズf:id:bicho5296:20191231205949p:plainを採用し、地震を撃つための隣の飛行アタッカーとして相性の良いトゲキッスf:id:bicho5296:20191231210005p:plainもセットで採用。ドラパルトを出さない場合にトゲキッスダイマックスさせてダイジェットでビートダウンを仕掛けていくこともできます。ここで、バイバニラは氷の礫という氷タイプの先制技を覚えて自発的な発動も狙えるため弱点保険を持たせることにしました。

 

最後はここまで前のめりなポケモンしかおらず、クッションや対トリルの時間稼ぎができて、浮いているポケモンとしてギャラドスf:id:bicho5296:20191231210022p:plainを入れて完成。

対トリルは不十分にも見えますが、オーロラベールと威嚇、ドラパルトのダイドラグーンでかなりダメージを軽減できるので急所以外は結構有利に展開できます。

 


個別解説

ダイマックス状態のポケモンをD○○と表記します

ドラパルト

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175-160-96-x-96-213

  • 火力:無振りバタフリーをドラゴンアローで高乱数1発
  • 耐久:ダイマックス時、Dドラパルトの物理珠以外の攻撃を全て耐える、陽気ヒヒダルマ五里霧中氷柱落としを確定耐えなどを確保した区切りの良い16n-1
  • 素早さ:最速

@突撃チョッキ:同速眼鏡流星群のケアにもなり、特にエルフーンの隣にいることが多い特殊アタッカーと打ち合っても生き残るため

■ドラゴンアロー:ダイドラグーン用。バタフリーの即処理などで便利そうなのでクローではなくこちら

ゴーストダイブ:ダイホロウ用。ターン稼ぎにも便利

はがねのつばさ:ダイスチル用。フェアリーに打点を持ちつつ耐久強化が強い

そらをとぶ:ダイジェット用

ダイマックス率:40%くらい

 

突撃チョッキとダイドラグーン、オーロラベールで生き残ってしっかり3ターン技を撃ち切ります。ここまで固いと対トリルでも充分に動けますし、BD共に実質強化できて数値の化物です。

ダイマックス前提の構成で、終わってしまうと火力がないので、ドラパルトがダイマックスを切る試合は3ターンの間に味方の強化を済ませておくことがポイントになります。初手に出したマタドガスが生き残ってしまっているならどこかのタイミングでドリュウズあたりに交替してダイジェットで素早さを上げておきたいです。

 

マタドガス(ガラル)

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141-x-140-150-90-112

  • 火力:最高値
  • 耐久:無振り
  • 素早さ:拘りスカーフで最速100族抜き

@拘りスカーフ:ダイジェットでエルフーンより速くなるため

マジカルシャイン:基本攻撃技で最もダメージを稼ぎやすい

■ワンダースチーム:シャインで火力が足りない相手に撃ったり弱点保険を避けるため

ヘドロばくだん:良い火力の一致技

■おにび:相手の火力を落としてトゲキッスなどを通しやすくする

ダイマックス率:0%

 

エルフーンを潰すためのスカーフですが、それ以外の用途でも場に居座ってもすることがあまりないためスカーフは使いやすいです。特にスカーフ鬼火は読まれ辛く、ドリュウズに鬼火を入れると弱点保険キッスを通しやすくなったりします。

最速にしたところでエルフーンと同速で、間に抜いておきたい相手もあまりいなかったため火力を重視して性格は控えめです。

技は火炎放射も候補ではありますが、他の技のほうが使用頻度が高そうでした。

 

バイバニラ

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147-x-105-162-115-144

  • 火力:補正無し最高値
  • 耐久:無振り。意外と数値が高いので壁込みで案外耐える
  • 素早さ:最速(S+1で最速ドラパルト+少し)

@気合いの襷:わりと1発は耐えてくれる数値だけど行動保証はほしいため

■ふぶき:メイン攻撃技。弱点保険だけ気を付ける

フリーズドライ:超一貫性の高い水タイプへの打点

こおりのつぶてトゲキッスの弱点保険起動と相手のミリ耐え削り

オーロラベール:キッスミラーや対トリルで特に光るダメージレース最強技

ダイマックス率:0%

 

やりたいことを全て詰め込んだら全て氷技になりました。綺麗。

役割的に1回か2回動いて適切な仕事をしてくれれば良いので最速CS襷です。フリーズドライで詰めたい相手がいる場合だけ温存し、それ以外は雑に扱って次のアタッカーに繋げます。化学変化ガスで特性が消えてしまいますが、マタドガスと並ぶ動きはないので特に気になりません。攻撃の個体値は礫を味方にも相手にも撃つことがありそうでわからなかったので最初に生まれた個体を使っていましたが、今のところ相手には撃っていないので下げたほうが良さそうです。

 

トゲキッス

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191-x-116-176-136-113

火力:11nかつC+1(弱点保険とバークアウト想定)で197-100ウインディをダイジェットで高乱数1発

耐久:16n-1かつ余り全て

素早さ:S+1で最速100族抜き+1(余ったため)

@弱点保険:能動的に発動する手段もあり、耐久に優れたポケモンなので

エアスラッシュ:ダイジェット用。ダイマックスしなくても追加効果が強い

マジカルシャイン:使いやすい全体技

かえんほうしゃ:火力よりダイマックスしないときの安定性をとって放射

このゆびとまれダイマックス時はダイウォールになり、しないときも味方のサポートや詰めに使える

ダイマックス率:45%くらい

 

今やダブルでもメジャーになっていますが、ダイマックスして殴っても強いしこの指とまれ、手助け、あくびとサポート技も充実していて本当に強いポケモン。本構築でも途中から採用したのにこちらをメインにする選出が多いくらい活躍しています。

特性はどちらも運が絡むものですが、ダイマックスしないときのエアスラッシュの強さと、たまたま狙わずに色違いが手に入ったので天の恵みです。

素早さは実は準速バンギラスと同速なのですが、火力も耐久もあまり削りたくないのと、自身のダイジェットですぐに上がる、相手の弱点保険ケアでいきなり殴らないことから無視しました。

 

ドリュウズ

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185-187-81-x-85-154

  • 火力:無補正最高値
  • 耐久:無振り
  • 素早さ:最速

@命の珠:とにかく火力がほしいため

アイアンヘッド:フェアリーへの打点で、ダイスチルも強い

■じしん:高火力全体技で通りがとても良い。ダイアースも強い

■10まんばりき:5%の外しが怖いので極力撃ちたくないが単体技も必要

■まもる:盤面整理やキッスの下からダイジェットでS操作したい場面が多いので

ダイマックス率:5%くらい

 

ガラルにはちゃんとした飛行タイプの強いポケモンや、速いポケモンが少ないため最高峰のアタッカーと言えるポケモン。ダイジェットとの相性も良く、味方を気にせずに地震を撃てる場面は非常に強いです。命中不安定の馬力はあまり撃ちたくないのですが、地震のダブルダメージより少し強いため、ダメージ感覚はしっかり身に着けておきたいです(対B振りロトムなど)。ダイマックスしても強いはずですが、本構築では他に譲ることが殆どでした。

 

ギャラドス

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201-166-114-x-121-114

火力:無振りドリュウズを滝登りで確定1発

耐久:204バンギラスのA-1ダイロックを高乱数耐え

素早さ:準速バンギラス抜き、S+1で最速100族抜き+少し

@オボンの実:耐久力アップと、ギリギリ耐えたあとに砂ダメで倒れないため

たきのぼり:安定した打点で役割遂行技

パワーウィップトリトドンへの打点や、Sが勝ってればロトムも殴れる

■でんじは:終盤ダイジェットのかかっていないアタッカーを通すためのサポート

■まもる:主に対トリルで時間稼ぎするため

ダイマックス率:10%くらい

 

わりとどんな相手にもクッション性能が高く、ドリュウズ地震も撃ちやすいためかなり後発で選出します。

耐久調整はついでといったくらいですが、対トリルでドリュウズのいるところにはダイロックが飛んでこないだろうとギャラドスを投げるタイミングで交替読みを通されてもAぶっぱじゃなければほぼ耐えるような保険の意味合いもあります。

ダイジェットは追い風とは違い、後ろのポケモンにまでS上昇がかからないため、一度クッションで受けたあとの電磁波が役に立つ場面は多いです。

ダイマックスは積極的には切りませんが、対トリルや晴れで天候をとるためなどで使うことがあります。

 

 

選出・立ち回り

主な仮想敵への選出と立ち回りは以下になります。色々混在した相手にはできるだけどのパターンも対応できるように半々な選出をしたりします。

 

エルフーン絡み、バンドリ、晴れ

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エルフーンは概要の通りの動きでしばきます。横にドラパルトがいる場合、一応弱点保険ケアでシャインは撃たないようにするつもりでしたが、バイバニラのおかげかドラパルトが初手に出てくることはほぼありませんでした。

対バンドリは上からダイドラグーンと鬼火でぐちゃぐちゃにします。ウォーグルも特性がなければダイドラグーンでAが下がるので新鮮です。

晴れは特性依存度がとても高いので特に立ち回りは決めていませんが有利に動けると思います。



対オーロンゲ、イエッサントリル

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オーロンゲは特性を封じれば遅いので普通にトゲキッスのダイフェアリーか、ダイジェット+マタドガスの攻撃で倒します。横が物理なら鬼火を入れるとトゲキッスが通しやすいです(ただし2ターン目以降ダイフェアリーのミストフィールドが邪魔になる)。

攻めるなら、マタドガスは仕様上後出しでも良いのでバニラキッスから入って、オーロンゲがいるなら後投げ・・などの動きも可能です。

イエッサントリルは後述のドサイトリルと同じ立ち回りでも良いですが、サイコメイカーが発動せず、こちらのヘドロ爆弾ケアでこの指しか押せないので初手のダブルシャインでかなり削って、次マタドガスを倒されながらダイフェアリーで再びミストフィールドに~ってやってれば大概勝てます。



対ドサイトリル、スタンその1

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トリルにはドラパルトが何かしらの行動+オーロラベールから入ってぐるぐる回したり、相手のダイマックスに合わせてダイドラグーンで火力を落とすなどしてトリルが切れるのを待って一気に潰します。

対スタンでも、初手のダイジェット+オーロラベールからの展開がそこそこ強力です。


対スタンその2

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特に何かを対策しないなら最もパワーが高い選出です。礫ダイジェットでいきなり火力を上げて、次ターンバイバニラが生き残ってたらオーロラベール、倒れたなら即座にキッスドリュウズの並びを作れるため非常に強いです。相手から弱点を突いてきそうなら初手からオーロラベールを貼ってダメージレースを有利に進めたいです。

 

 

最後に

今回は構築の始点がガラルマタドガスとはいえ、「自分のやりたいことを通す」タイプの構築を作りました。そのコンセプト通り、ダイマックスは殆ど初手に切ります。

まだ剣盾が発売してからあまり経っていないのでなんとも言えませんが、シングルバトルはダイマックスを後出しするほうが強い一方、ダブルバトルは序盤にダイマックスを切ったほうが有利に働く場面が多いように感じます。これも、能力アップが全体に効果があり、あとからだとそのアドバンテージを返し辛いのが主な理由でしょう。

正直自分はこの初手ダイマックス環境があまり好きではないため、最近はなんとか後出しで巻き返せる構築を考えています。

まだVGC2020は始まったばかり・・というか正式には始まってもいませんが、本番までには自分好みの手に合った構築を作れるように頑張っていきます。