【WCS2018】彩りクレセランドラン★世界ベスト8★
2018/8/24~26にアメリカTNナッシュビルで行われた2018年度の世界大会「WCS2018ゲーム部門マスターカテゴリ」に参加してきました。
長年の目標であった世界大会出場を今年初めて決め、目一杯楽しもうという心意気でしたが、ポケモンたちが狙い通りに活躍してくれて世界ベスト8(6位)という好成績を修めることが出来ました。
構築経緯
クレセリア+鉢巻ランドロス
全国大会の記事でも述べたように、自分は2月からずっとクレセリア+鉢巻ランドロスの組み合わせを軸に考察してきました。この並びに拘った大きな理由は2つです。
また、クレセリアが浮いているため地震に巻き込まれないためランドロスの高い攻撃種族値を生かしやすく、地震を無効で受けれる飛行タイプはクレセリアが覚える冷凍ビームや凍える風で弱点を突けるため、攻撃面の相性も良いです。
先発にクレセリア+ランドロスを出して完全に出し負けしてしまうことは少なく、すぐに攻撃するか引きながら素早さ操作して展開していくか・・といった選択肢を持っているため、安定性と柔軟性は一流です。
そこに、クレセリアにサイドチェンジ、ランドロスに拘り鉢巻を持たせることによって奇襲性も得ました。拘り鉢巻を持ち攻撃に努力値を振り切ったランドロスの地震は、無振りカプ・テテフ程度なら等倍でも一撃で倒すほど。本来ランドロスを上から倒すつもりだった場面や、「どうせ蜻蛉返りだろうし、最悪動かれても大丈夫」と油断している相手を初手から崩すことが出来ます。
昨年のVGC2017は幅広く構築を作ったものの国内予選すら抜けれませんでした。原因は色々あると思いますが、一番は立ち回りの練習不足です。
実際、全国大会や世界大会で見た構築と似たような構築を自分でも作ったことがあったり、シニアカテゴリではありますがいづみくんが自分の構築を使って世界7位に輝いてくれたこともあり、構築力では負けていなかったと思います。ただ、課題にぶち当たったときに立ち回りや微調整で詰めようとせずに新しい構築に逃げてばかりだったのがダメでした。前回予選を抜けた2015年と違い自分も社会人になり、あの頃と比べると圧倒的に時間が不足していることもあるため今年は出来るだけ1つの構築に絞って極めようとしました。
スタンダード構築の結論
構築の出発点であるクレセリア+ランドロスから、最も相性の良いポケモンとしてヒードランを採用しました。
ヒードランの優れる点として、主に以下が挙げられます。
ヒードランは、ランドロスの引き先として、水弱点のみは被ってしまうものの多くの耐性を持っていてかつ、高い特攻と強力な全体技である熱風を兼ね揃えています。
また、環境トップのメガシンカであるリザードンには例えXであろうとまず負けない(めざめるパワー地面や気合い玉があれば別ですが最近は見ない)し、メタグロスは地団駄をケアすれば勝てる、ボーマンダは飛行耐性を持つためこちらに打点があれば有利、ゲンガーにも単純な殴り合いでは微有利くらいには立てます。更に、日本であまり見ないものの海外ではリザードンとカプ・テテフやウツロイドを組み合わせた構築が流行っていると聞き、これらに1匹で有利をとれるヒードランは是非とも世界大会に持っていきたいと思いました。
そこに、相性補完とミストフィールドで相手の好きなようにはさせなくできるカプ・レヒレを加え、これら4匹と相性が良いメガシンカのリザードンorガルーラ@1または両方という形が、高種族値で固まっていて単純な数値の高さとタイプバランスを兼ね揃えているので、自分のスタンダード構築の結論になりました。
構築の見直しと試行錯誤
色々考えた結果、結局JCS予選や全国大会で使用した並びに帰結してしまったのですが、この並びは全国ベスト8とそこそこ良いところまでは行けたものの既に負けてしまっています。
全国大会の結果からの反省点は主に2つ。
1つ目のボーマンダ+カミツルギ入りの構築は良く見ますし予選でも何度か当たりましたが、なんやかんや立ち回りで勝てていました。
しかし、全国レベルのプレイヤー相手には通じず、選出段階でリザードンとヒードランが出し辛い相手にカミツルギを上手く回されると、どこかで無理な動きを通さないと勝てないことに気付きました。
2つ目は、まぁ構築を組んだ時点で分かってはいたのですが、やはり一撃しか撃てないヒードランのクサZはBo3には不向きです。
カプ・レヒレのフェアリーZはタイプ一致だし分かっていても通りが良く強いのですが、ヒードランのクサZはこれで対象の水ポケモンなどを仕留めきれないと途端に厳しくなります。
これらを解決すべく、クレセリア、ランドロス、ヒードラン、カプ・レヒレにメガリザードンかメガガルーラ、そしてラスト1枠の様々な形を試しました。
+、、、、、
、、、、
※アクジキングはお遊びです(http://www.nicovideo.jp/watch/sm33152198)
中でもアーゴヨンは多くのメジャーなポケモンの弱点を突け、結構面白かったと思います。ただ、クレセリアに大きな隙を見せてしまうことや、ランドロスが辛い、ガオガエンに弱くはないけど力負けするといったことからメガギャラドスなんかと組ませると強いんじゃないかとは思いました。そうなると構築が大きく崩れてしまい、残された時間で練度を上げることが出来ないと思い捨てましたが。
あとは、ミミッキュの専用Z「ぽかぽかフレンドタイム」が異常に技演出時間が長く、世界大会が全国大会と同じ総合時間制(技演出中なども時間が流れる15分制)なら、ミミッキュZで遅延しつつ1体倒してあとは蜻蛉返りとかでひたすら受け回して時間を消費すればそれだけで勝てるんじゃ・・!?と本当に人間の屑のような発想に至りましたが、しばらくして届いたお知らせを見ると違うようだったので諦めました(笑)
色々試しましたが、苦手に勝てるポケモンを入れて構築を補完しても、結局は交替合戦になり、どこかで読みが必要になるような試合が多く、やはり前のクサZのような奇襲要素が欲しいと感じました。
また、ヒードランは元々飛行耐性があるため、ボーマンダに対する打点があれば1匹でボーマンダ+カミツルギを両方見れるためめざめるパワー氷が欲しくなりました。
自然の力ヒードラン
- 奇襲で水タイプを倒したい
- ボーマンダに対する打点がほしい
この2つを同時に解決する技が「しぜんのちから」です。
自然の力は、出したときのフィールドがエレキフィールドだと10まんボルト、サイコフィールドだとサイコキネシス、グラスフィールドだとエナジーボール、ミストフィールドだとムーンフォース、そして何もなければトライアタックになります。
タイプ不一致ではありますがヒードランは元の特攻が非常に高いため、命の珠を持たせることでムーンフォースで無振りメガボーマンダを、フィールド補正込みの10万ボルトかエナジーボールでH振りカプ・レヒレを確定1発で倒すほどの火力が出ます。
ヒードランの自然の力は、サンムーン発売直後の全国ダブルの頃から知ってはいて、一度カプ・ブルルと組み合わせて使ってみたことはあったのですが、カプ・ブルルは後出しからでも余裕で水タイプに勝てるし、わざわざ4つしかない選出枠を2つも使ってやるほどではないよね、と片付けていました。
しかし、既に構築にカプ・レヒレがいてムーンフォースにもなれることや、後出しからでは耐久に不安なカプ・コケコのほうを採用してもヒードランが即処理できて隙にならず、カプ・ブルルやカミツルギだと重くなるボーマンダやウォーグルにも有利なので綺麗に纏まると考えました。
× ⇒ ○
最後のピース
先に一般枠1枠のほうがカプ・コケコに決まり、最後は順当に行けばメガリザードンYかメガガルーラになります。
メガリザードンだと、雨やメガゲンガー絡みの構築に強く、ヒードランの火力を上げてゴリラすることなどが出来ますが、自分はメガガルーラを選択しました。
ガルーラを選んだ理由として、1つは猫騙しとカプ・レヒレの黒い霧を組み合わせることで、世界大会に一定数いるであろう積みコンボ系統の構築に対しかなり余裕を持って立ち回れるようになる、という狙いがありましたが、殆どは感覚で決めました。
理屈ではリザードンのほうが合っている気もするのですが、何故かガルーラのほうが勝てました。当たった相手の構築ジャンルや、自分がリザードンを扱うのが下手なのかもしれないということもありますが、全国大会でもリザードンを出した試合は少なく、しかもあまり活躍していませんでした。
わりと感覚で決めたガルーラでしたが、使っていくうちにガルーラでなければいけなかった理由がなんとなく分かった気がします。
というのも、構築の出発点であるクレセリア+ランドロスですが、クレセリアは自身1匹では殆ど何も出来ないような構成。ランドロスは拘り鉢巻を持っているためかなり隙が大きなポケモンです。その上互いに守れないため相手の猫騙し持ちに不利な択を強いられやすいです。また、中心となっているポケモンですが、クレセリアは相手に負担をかけれないポケモンが場に出ていると隙となる積みリレーのような構築、ランドロスは特性負けん気などの威嚇カウンターや極端に攻撃の通りの悪い構築に出せません。
こういった場面で猫騙しでテンポを取り返し、その後も優秀なアタッカーとして相手に負担をかけられるガルーラは、影ながらも構築を支えてくれていたのだと後から気付きました。
個別解説
カプ・コケコ
149-x-106-142-97-200
(28-0-4-212-12-252:臆病)
- +1めざめるパワー氷でH173D112霊獣ランドロス(無振りを確定で倒す攻撃を耐える配分)を確定1発
- A200カプ・ブルルのウッドハンマーを最高乱数以外耐え
- C154拘り眼鏡カプ・レヒレのムーンフォースを最高乱数以外耐え
■10まんボルト:主力となる攻撃技
■めざめるパワー氷:瞑想で積んだあとランドロスで止まらないように
■めいそう:足りない決定力を補う。カプ・レヒレの前でのわりと安定行動
■まもる:積みと合わせて大事に扱うだけでなく、クレセリアのS操作やガルーラの猫騙しで縛り解除もしやすいため重宝
@デンキZ:積まずとも瞬間火力を出せたり、積んで高耐久を吹っ飛ばしたりと使いやすいアイテム
ヒードランの自然の力に合わせての採用でしたが、構築にガルーラがいることや、クレセリアのサイドチェンジで積む隙が作りやすかったので瞑想型にしました。
初手でランドロスを雑に扱い、最悪倒されようが裏からカプ・コケコを投げて瞑想で巻き返す・・という立ち回りをすることもあります。
10万ボルト、瞑想、守るはすぐ決まり、最後はマジカルシャインが一般的ですが、レヒレの前で瞑想を積み、裏からランドロスを投げられるという場面によく遭遇し、そのまま倒せるとかなり楽なのでめざめるパワー氷を採用しました。
拘りスカーフだと上を取られますが、大地の力は満タンでDが上がっていれば耐えますしサイドチェンジでも避けれる、地震は撃つタイミングが読みやすい、マッチ戦前提でアイテムを把握しやすいことから、プランを上手く立てれば一気に崩していけます。
配分は、瞑想を積むので耐久に割きたい気持ちもありましたが、積まずにいきなりデンキZを切っていく動きをすることも多く、せっかくめざめるパワー氷を採用するのでチョッキ以外のランドロスは倒したいと考え殆ど特攻に振りました。
素早さも、ミラーやメガゲンガーを意識して最速。先に積むか横のクレセリアの手助けと合わせればフィールド10万ボルトZで相手コケコを一撃で倒せ、決まれば味方の被弾も減らせるため素早さを落とすことは全く考えませんでした。
カプ・レヒレ
175-x-136-156-151-112
(236-0-4-212-4-52:控えめ)
- C222メガゲンガーのヘドロ爆弾を乱数上2つ切って耐え
- -1最速100族抜き
■だくりゅう:ミズZの威力を確保しつつ、雑に削る全体技
■ムーンフォース:使いやすい主力技
■くろいきり:積み対策。猫騙しと合わせれば後からでも間に合う
■まもる:フィールド奪取が普段より大事なので大事に扱いたい
@ミズZ:Zがないと火力が出ないし、叩き落とす受けに出すことも多いため。
構築の軸であるクレセリア、ランドロス、ヒードランとの相性補完が美しいポケモン。
また、特性でフィールドをミストフィールドで上書きすることで相手の火力を下げ構築全体の耐久値に貢献したりなど、安定性を大きく向上させています。
前回構築と比較し、リザードンがいないためクレセリア+カビゴンを晴れ熱風連打で突破できないことや、世界にはまだ見ぬ積みコンボ系が出てきても不思議ではないため黒い霧を採用しています。
また、ヒードランの攻撃範囲が広くて充分なことや、自分の晴れで水の威力を下げることもないので今回はフェアリーZではなく一般的なミズZを選びました。後続に一貫しやすい技で、ガオガエンやランドロスを素早く処理してもらいます。
配分は黒い霧を持たせる以上、ガルーラより速くして、威嚇を受けてしまった場合に能力リセット⇒ガルーラの攻撃と繋げるようにするという案もありました。しかし、トリックルームから展開するパターンもそれなりにあったり、耐久を削りすぎるとただでさえ薄い雨構築に全く勝てなくなると考え、凍える風とトリックルームどちらでも展開しやすい値に設定し、残りをHCに振り分けるという前回と同じ形をとりました。
クレセリア
227-x-153-95-187-105
(252-0-100-0-156-0:穏やか)
@ウイの実:とにかく長く生き残ってほしいため。虫食い考慮のC下補正混乱実
ランドロスとセットで軸なので前回構築から一切変更せずに続投。
他の構築を見て、何度かサイコショックで殴れるクレセリアにも魅力を感じましたが、味方のパワーを最大限生かすためこの構成に落ち着きました。
サイドチェンジはクレセリア+ランドロスの並びだけでなく、
など幅広く使用します。
トリックルームは主軸とした構築ではありませんが、追い風や相手のトリルへの切り返しに便利ですし、相手の選出を確認して刺さっているようなら一気に試合を取れる技なので持たせました。
サイドチェンジと合わせて、凍える風+トリックルームの2枚S操作クレセリアは特にマッチ戦で光るポケモンだと思っています。
配分は半年間一度もカプZを受けなかったので、とうとう4nを無視して最も耐久が高くなるHPに全振りしました。カ・エールさんとのフレ戦で自然の怒りを受けたあと「塩水威力倍にならないぞ~?」と煽った記憶があります。
ヒードラン
197-x-127-200-127-98
(244-0-4-252-4-4:控えめ)
- 熱風でH159D131メガメタグロスを確定1発
- 大地の力でH153D116メガゲンガーを確定1発
- 手助け大地の力でH201D129ガオガエン(コケコのフィールド10万ボルトZ耐え)を確定1発
- 手助け大地の力でH198D127ヒードランをシュカ貫通の確定1発
- フィールド10万ボルト(自然の力)でH177D151カプ・レヒレを確定1発
- ムーンフォース(自然の力)でH171D110メガボーマンダを確定1発
- S-1準速95族抜き
■ねっぷう:主力炎技。命中・単体威力よりも全体のダメージレース優位を意識
■だいちのちから:撃ちたい相手が多いサブ技。珠で絶妙な火力が出る
■しぜんのちから:概要の通り。実数値200から撃つフィールド技は強い
■まもる:S関係で縛りが逆転しやすいポケモンのため必須
@いのちのたま:自然の力から出す技が1.3倍補正で丁度良い火力になるため
ヒードランに技範囲があれば色々解決するのに・・・という悩みを解決する「しぜんのちからというビックリ技を持ったヒードランです。タダ乗りを含めると実質技8個です。
本来カプ・レヒレで止まるポケモンなのでトリル下のヒードランをレヒレで止めようとする相手には、クレセリア⇒カプ・コケコへ交替しながらの自然の力10万ボルトでレヒレを破壊し、そのまま押し切るといった展開が狙えます。
本構築で自分から狙っていく技は10万ボルトとムーンフォースの2種類ですが、VGC2018の殆どの構築にはカプが入っているのでいつの間にか有効な技を撃てる状況になっていることが多々あります。
特に、カプ・ブルルはこちらのカプ・コケコ、カプ・レヒレ、ランドロスが強く誘いやすいポケモンなのでほぼ選出されます。相手にグラスフィールドに書き換えてもらい、便乗してニョロトノやトリトドンを倒したときの相手の反応は忘れられません。
自然の力による攻撃の仮想敵が命の珠を持たせることで丁度倒せるという理由から珠を持たせましたが、副産物として大地の力で大体のメガゲンガーを落とせることや、(有名なパメラさん配分は確定1発、アルカナさんが世界大会で使用したものくらいHDに振られると最高乱数以外2発)手助け込みでのガオガエンの速攻処理、単純に熱風が強いなど様々な場面で役立ちました。
ここまで述べた通り火力は最大で丁度なので特攻に振り切ることが確定。素早さは少し上げると凍える風1回で最速85族が抜けるラインになりますが、最速カプ・レヒレに当たる可能性も低そうですし、そんなに速いレヒレを採用した構築なら凍える風よりもトリルから攻めることが多いだろうと割り切って耐久に回しました。
ランドロス(霊獣フォルム)
173-216-111-x-110-125
(68-252-4-0-84-100)
- 地震でH146B96カプ・テテフを最低乱数以外1発
- 手助け地震でH175B136カプ・レヒレを低乱数1発
- ストーンエッジでH171B150メガボーマンダを高乱数1発
- 手助け蜻蛉返りでH187B140メガラティアスを最低乱数以外1発
- 馬鹿力でH250B117カビゴンまで確定1発
- C172ランドロスのめざめるパワー氷を確定耐え
- 最速バンギラス抜き
■ストーンエッジ:鉢巻を持っているため最大火力の岩技。中途半端なSの岩雪崩には魅力を感じない
■じしん:クレセリアと並べて撃つ。最初の雑な削りや盤面を整えた後の掃除に
■とんぼがえり:味方に繋ぐための技のはずが殺傷能力がとても高い
■ばかぢから:カビゴンやポリゴン2の処理、S操作後にはカミツルギの処理も
@こだわりハチマキ:構築の出発点。一旦鉢巻ランドロスを使うと他の持ち物のランドロスが使えなくなる病みつきの強さ
自分がVGC2018で最も信頼を置いているポケモン。技4つ全てに撃ちたい場面があり、攻撃は最大の実数値216がマストであるためそのままです。
ただ1点、準速70族抜きの素早さ123は他のポケモンの調整先と被りやすく、メガバンギラスやカプ・レヒレあたりと同速になりやすかったので微妙に上げました。(うろ覚えですが全国大会当日もギリギリで上げていたような気も)
また、メガゲンガーとバンギラスが共存する構築などでは、バンギラスがメガしない最速竜舞型で採用されるケースが多いと見受けられたので、そこに先手をとる意味合いもあります。
その分特防を2削っており、C177サンダーやC147珠カプ・コケコのめざめるパワー氷が最高乱数を引くと落ちるようになってしまいましたが、最低限行動保証のほしいランドロス対面では確定で耐えることが出来るので良しとしました。
実は、前回構築では全てのポケモンをD>Bに調整してダウンロード対策もしていたのですが、今回カプ・コケコを採用して崩れたこともあり気にしていません。
拘り鉢巻はバレると動きにくいアイテムなので、マッチ戦に不向きなところはありますが、最初にとれるアドバンテージが非常に大きく、情報を知られた後もそれはそれで相手が慎重に動いてくれることが多く、踏まえた上で立ち回ればあまり窮屈には感じませんでした。
メガガルーラ
191-194-121-x-126-136(メガシンカ後)
(84-252-4-0-44-124)
■おんがえし:反動のない安定した主力技。やつあたりはなんとなく嫌い
■ドレインパンチ:カミツルギに有効な格闘技。回復も地味に美味しい
■ふいうち:中速の多い構築なので先制技は有用
■ねこだまし:構築を回りやすくするための潤滑油的な技
@ガルーラナイト:唯一のメガシンカ枠
最後に構築に入ってきた、タイプバランスというより立ち回りの面の補完を行うポケモンです。
6世代と比べそもそもの性能が弱体化したり、環境的に向かい風ではありますが、猫騙しによるサポートと一貫性の高いノーマル技で幅広い相手と殴り合うことができます。
ガルーラを出す場面というのが基本選出ではないので、メガシンカなのに選出率はあまり高くなく4割程度ですが、クレセリアとランドロスの隙や不在時の穴を埋めてくれました。
配分は、攻撃に振り切ってやっと恩返しでテテフ一撃ライン(=鉢巻ランドロスの地震ダブル補正。ガルーラが弱いのかランドロスが強いのか(笑))で、不意打ちで縛れる範囲を少しでも広げたい思いもあり極振りしました。
素早さは、123近辺に落として耐久を高めたい気持ちもありましたが、メガバンギラス意識というよりは抜けると思っていたキリキザンやペリッパーが最速で先に動かれた場合があまりにも辛いことと、凍える風を当てた際にカプ・コケコまで抜けていたほうが立ち回りやすいと判断して136まで上げました。
残りを耐久に回しHPが16nの192を少し超えてしまったので、定数ダメージやドレインパンチの回復効率を意識して余りを特防に回しました。
技はオーソドックスですが、大事に扱いたいポケモンというわけではないので守るもそれほど必要ではなかったです。強いて言えば威嚇を回されても機能する手助けとかあっても面白かったかとは思いますが、他のどの技も切れませんでした。
選出・立ち回り
基本選出
+or
これで大きな問題がなさそうなら、1戦目は多くの相手にこれで行きます。
初手クレセランドで相手の出方を窺い、攻撃を通して崩すか、凍える風かトリックルームを起動しつつヒードランを場に出し、受けにくるポケモンをクレセ引きカプで自然の力で倒します。
初手の対面が地震を通せるかどうかがハイリスクハイリターンの場合、まだ1セット失っていないならとりあえず突っ込んでみて失敗してランドロスを失った場合は裏からカプ・コケコを出してサイドチェンジ+瞑想で巻き返すといったプランをとることもあります。
凍える風を撃ちながらランドロスをレヒレかドランに引き、ランドロスにとって有利なタイプを誘いながら再度ランドロスを繰り出し地震の通しやすい盤面を整えるという動きも地味ながら強力です。
反対に基本選出をしないケースとしては、相手に負けん気・勝気といった威嚇カウンターがいる場合は極力ランドロスは初手には出しませんし、積み+猫騙しのようなクレセリアが置物になってしまう場合はクレセリアを出しません。メガゲンガー入りにもクレセリアがロックされてしまう状況が弱いので、出しても後発になることが多いです。
また、1戦目基本選出で戦った相手にもランドロスの鉢巻が知られてしまうと初手が不利な択になりやすいため少し崩すこともあります。
VS威嚇カウンター
+
威嚇カウンター特性のポケモンは大抵カプ・コケコに弱いので、初手に投げて圧力をかけながら瞑想を積む展開を狙います。
初手にガルーラを並べてしまうと、両方がランドロスに弱くなってしまうことや、初手は威嚇を受けやすく、ガオガエンと対面したときに猫猫挨拶をしても旨味がないので、初手コケコ守る+クレセリア⇒ガルーラ(叩き落とす受けにもなる)で、2ターン目から猫瞑想展開を狙ったほうが通りやすいです。
特例として、ゴチルゼルは勝気もありますが、影踏みが表択でありどちらか分からないのでランドロスを初手に投げます。
もし勝気であれば本来相手にとっては美味しい展開なのかもしれませんが、幸いこちらは拘り鉢巻を持っておりH振りだけなら蜻蛉返りで9割ほど削れるし、(最高乱数を引けば即死)先制技もなく遅いポケモンなので即処理しなくともレヒレの黒い霧でリセットも狙えます。
ラランテスはあまり初手には出さずにトリルを貼ってから出てくることが多いですし、これももし出会ってしまっても鉢巻蜻蛉返りで吹っ飛ばします。
VSゲンガエン(+ジャラブルル)
+
クレセリアを出してしまうと隙になりやすいので、先発は火力の高いヒードランとランドロスを出します。
終盤トリル展開が必要そうな場合は裏にクレセリアを控えさせておくことが多いです。
ゲンガー側にとってランドロスが持ち物が分からない段階だと特にヘイトを集めやすいことや、ヒードランの珠大地の力の火力はあまり警戒されないためヒードランが自由に動きやすいです。
ジャラランガがセットの場合、初手はゲンガー+ジャラランガであることが最も多かったです。ランドロスで威嚇をかけておくことでジャラランガのインファイトでヒードランが落ちないよう保険をかけてあるので、ランドロス⇒カプ・レヒレの自然の力ムーンフォースでジャラランガを落とします。
大抵ゲンガーが守るか凍える風をしながらジャラランガがブレイジングソウルビートでしたので、この動きを知られていなければまずイージーウィン出来ます。
VS積みコントロール
etc…
積み系と言っても上記のようなライボルトコントロール以外にも様々なパターンがあると思いますが、こういった相手にもクレセリアは隙になりやすいため出さない場合が多いです。(瞑想コケコや剣舞カミツルギがエースならS操作は刺さるので出します)
カプ・レヒレの黒い霧を用いて相手の積みのリセットや、かけられた威嚇をリセットして攻撃します。こういった相手の時にレヒレの素早さがガルーラ以上であればもっと綺麗に動けるのに・・と感じることもありましたが、あまり数が多いわけではなく、トリル運用や単純に耐久が生きる場面のほうが多いので妥協しています。
VS雨
+()
構築段階で半分切っている辛い相手です。環境的に世界大会ではあまり雨はいないと考え軽視しています。
しかし、雨側もミズZは1匹に対してしか撃てないので、基本的にはジャンケンを仕掛けるような立ち回りになります。
ガルーラとランドロスを並べれば、どちらかの攻撃が通ればルンパッパは倒せますし、レヒレを裏に控えさせておけばどちらかの水技は受けることが出来ます。
ランドロスの持ち物を知らなければルンパッパ側は倒されるとは思わず、また雨にとってランドロスの処理は他でも出来る分ガルーラのほうが狙われやすいため経験上ガルーラによくミズZが飛んできます。
ルンパッパも守るを覚えているかどうかで集中するのも怪しいところですし、こちらも1体切ってでも倒しに行くか、レヒレで受けるかの選択肢もあるのでやはりジャンケンです。
それでも内容はギリギリなものばかりとはいえ半分以上は勝てました。所謂「限界雨」のような完全に雨に寄せている構築には絶対勝てないと思います。
世界大会DAY2簡易レポート
Round1 VS Felipe Mendez [CL] WLW
テテフアギルダーと海外で多いと噂されていたリザードンとの組み合わせ。
1戦目は基本選出で初手テテフアギルダーと対面したのでサイチェン地震でテテフを処理してアギルダーにも大ダメージを与え、あとはヒードランで詰めて勝ちました。
2戦目はトリックルームからヒードランの手助け珠PFサイコキネシスでランドロスを一撃で倒したものの、スカーフだと錯覚していたテテフのカクトウZでヒードランを破壊され、テッカグヤを倒せなくなって負け。
3戦目は初手クレセリア+カプ・レヒレから通りの良いミズZをぶっ放しランドロスを倒し、そのまま詰めて勝ちました。
Round2 VS Paul Ruiz [EC] LL
ご存知WCS2018世界王者です。トリトドンがそもそも重すぎるのに、安定行動しつつも時々挟んでくる強気な読みがエスパーすぎてなすすべなくストレート負けしました。
Round3 VS Nathaniel Innocenti [US] WLW
2ラウンド目を落としたあとに半分切っている雨構築に当たり萎えていましたが、分かりやすい英語で積極的にコミュニケーションをとってくれる凄い良い人でした。
1戦目は初手トノルンパではなかったのでジャンケンは発生せず、ニョロトノも相手が貼ってくれたグラスフィールドにタダ乗りしたヒードランのエナジーボールで破壊しました。
2戦目は初手のジャンケンで負けたものの、ガルーラがミズZをミリ耐え(乱数)してくれたこともあり、優位に進んでいたのですが、既にS関係がブルル>ヒードランと判明していることを失念して動かすプレイングミスをしてしまい負け。
3戦目は初手両守るから手助けミズZ⇒ガルーラに対し、こちらもルンパッパに集中をかける1:1交換から始まり、最後ギリギリでしたがヒードランが頑張ってくれて無事勝ちました。
Round4 VS Jeremy Odena [US] WW
1戦目初手クレセランドvsガエンレヒレの対面で、最悪ランドロスを失ってもメガバンギラス以外は瞑想カプ・コケコで抜いていけると考え手助け地震。
相手ガオガエンは猫騙しを撃っておらず、おまけにレヒレの急所に当たり、無傷で4vs2で試合が始まってしまい流石に申し訳ない気持ちになりました。
僕なら情報を隠すため降参もアリかと思いましたが、そのまま試合が続いたためランドロスが特殊スカーフであることと、カミツルギが身代わりを持っている情報を得ました。
2戦目は、流石にランドロスを警戒してくると思い初手はコケコクレセを選択し、相手はレヒレランド。
ランドロスが特殊スカーフと割れているので念のため大地の力警戒のサイドチェンジを押しつつ、その場にランドロスがいるため絶対に通るデンキZをレヒレに撃った結果、ランドロスは蜻蛉帰り、レヒレは動いていたので1ターン目に処理に成功しました。
あとは交替読みに注意し、必要なポケモンの取捨選択を慎重に行い詰めて勝ちました。
Round5 VS Alvin Hideyet [US] WW
1戦目はレヒレの黒い霧で威嚇をキャンセルしつつカビゴンに積ませないようガルーラで攻めていきました。
途中トリックルームからラランテスを出されてしまい、更には身代わりを持っていてピンチに陥りましたが、自分でラランテスをしばらく使っていた経験からのダメージ感覚や馬鹿力の方向を読み、なんとか処理に成功。
最後持ち時間が残り6秒とギリギリでしたが勝ちました。
2戦目は初手からラランテスを出されましたが、1戦目でランドロスの鉢巻を見せていなかったため蜻蛉返りが通り速攻で処理することに成功し、そのまま安定行動で勝ちました。
Round6 VS Riccard Appamea [IT] LWW
1戦目初手に交替で出したコケコが眼鏡濁流急所で出落ちしてしまい、1セット捨てて情報を見せないよう探ろうかと迷いつつも結局自然の力10万ボルトでレヒレを処理しました。
その後惜しいところまでは行きましたがギリギリ勝てず、探ることに専念すれば良かったかと少し後悔しました。
2戦目・3戦目ですが、この試合は勝てば決勝トーナメント進出ということでめちゃめちゃ入り込んでたこともあり、正直あまり覚えていません(笑)
最後は削れたヒードランとランドロス対ランドロスとバンギラスという盤面で、怯みや技の命中次第というところで1度は怯んだもののストーンエッジをランド⇒バンギと当ててくれてギリギリの勝利を掴みました。
Round7 VS Arash Ommati [IT] W
2013年世界王者が相手で、既に予選抜けが決まっていたのでかなり嬉しいマッチングでしたが、Arashさんが何やら審判と会話したあと(英語が分からない)降参されました。
トーナメントでも当たらず仕舞だったので、またいずれ世界大会で対戦してみたいです。
Topcut top16 VS Brendan Zheng [US] WLW
有名なAaronさんの弟Brendanさんです。どうやら過去に北陸のびちょチルドレンたちはこのBrendanさんに負けたらしいので先生として勝たなければいけない(笑)
対戦前に「イズミモトエ知ってる?僕彼の友達なの」って話したら覚えてくれていました。初対面の相手に先生というのが恥ずかしくて友達と言いましたが年齢的に無理がありますね。
1戦目はお互いにリスクを冒さず固い動きでしたが、ヒードランの自然の力ムーンフォースでボーマンダを処理したりもあって勝ちました。
2戦目は、カビゴンが最速とは知らず、追い風下-1カビゴンが自分のレヒレより先に攻撃し、黒い霧が間に合いませんでしたが恐らく攻撃に振っていないためクレセリアがミリ耐えして木の実で回復。そこから勝ちの流れでしたが、-1カミツルギのクサZ急所でランドロスが飛び、ヒードランの熱風外しでカビゴンを倒し切れず返しの十万馬力を受けてしまうなど事故が重なり負けてしまいました。
3戦目は、序盤から細かい択負けを繰り返し劣勢でしたが、要所でサイドチェンジが決まり接戦に。
最後死にかけのヒードラン対A-2ボーマンダの対面になり、ストーンエッジが当たれば負けだろうという場面で、技エフェクトが発生し負けを悟りましたが、ヒードランがミリ耐えし、返しの自然の力トライアタックで見事ボーマンダを倒してくれました。倒したあと、ヒードランも珠ダメージで倒れるといった本当に白熱したGood Gameでした!
Topcut Quarter Final VS Emilio Forbes
試合展開は動画参照です。
いくつか動きの解説というか、言い訳したい場面だけ書きます。
1戦目1ターン目、先発は出し勝っていますが、ここは熱風の一貫などもあるのでブルル方向からニョロトノが出てくることを警戒して熱風ではなく大地の力を選んでいます。
雨になればゲンガーにもダメージが入らなくなり、ここで万が一動かれると非常に困ります。
また、見るからに滅び構築なので最悪の場合ニョロトノが脱出ボタンを持っている可能性も考えられます。
ランドロスが特殊型ならゲンガーを牽制しているようにも見えますが、僕自身一度も配信はなかったとはいえアメリカの選手とは何度も戦っているため、拘り鉢巻だということを知っているのではないかと警戒しました。
クレセリアランドロス対ゲンガーガオガエンの場面で手助け地震を押したところですが、これは十中八九猫身代わりだと分かっていて、クレセリアが凍える風をしたところで意味はないと考え、もしもグラスフィールドだからクレセリアに猫騙しといった悠長なことをしてくれれば勝てるのでワンチャンを狙いました。
実際はここで凍える風にしておけば身代わりにダメージが蓄積し、次の凍える風+蜻蛉返りで確定で割れます。僕はこのとき恥ずかしながらゲンガーに虫技が半減で(実際は4分の1)鉢巻だから蜻蛉返りと凍える風を重ねれば間違いなく割れると勘違いしていました。
これがなければコケコを身代わり無しの状況で出せるため、まだ違ったかと思います。
2戦目は、動きとしては間違っていなかったと思います。
手助け珠熱風が当たっていればランドロスは次コケコが上から縛れるようになりましたが、結果的に最後の局面でランドロスはミスか守る読みで蜻蛉返りを選択したためあまり関係はありませんでした。
最後の鉢巻ストーンエッジがブルルに当たっていれば、急所やグラスフィールドの回復込みでもめざめるパワー氷のダメージと合わせて乱数で落とせ、最後にランドロス同士の対面になりこちらだけ威嚇がかかっていても岩石封じと鉢巻ストーンエッジの打ち合いなのでほぼ勝てるといった感じでした。
もし2戦目運良く勝てたとしても、3本目も分の悪い試合になりそうですし、ここまで普通に殴っても強い滅び構築は初めて見たので、本当に完敗でした。
QRレンタルチーム
※ガルーラの恩返しは捨て身タックルに変更しています。
自分で育成してダブルレートで使用する場合はガルーラのドレインパンチをグロウパンチにしたほうがもっと強いと思います。
WCS2018は終わりましたが、全国ダブルを続けられる方は、前回のゴリラグッドスタッフverグロウパンチガルーラもかなり強いので是非試してみてください。
総括
世界ベスト8。あと1勝でトロフィーと来年のTAという非常に惜しい結果になってしまいましたが、信じたポケモンたちと世界大会で好成績を残すことが出来て嬉しいです。
数あるダブルバトルの中でも「全国ダブル」と呼ばれるルールが自分の中では1番得意であり、前の全国ダブルであるWCS2015では自信のある構築を作れたにも関わらず全国大会で負けてしまっていたので、今年はそのリベンジが出来たと思っています。
色々アイデアを出してもらったり調整相手にもなってくれた友達や、いつも無理言ってポケモンを用意してもらっている北陸パパさんたちにはとても感謝しています。
世界大会が終わった直後は結果に満足し、楽しかった思い出でいっぱいでしたが、この記事を書き終えるまでの1か月間で「あそこでああしていれば」など思い返すことも多く、悔しい気持ちが溢れてきました。
WCSは本当に楽しい夢の舞台でしたし、次はもっと上を目指したいので、また来年以降も努力していきたいです。